連続ロック小説「狼ロック」(不定期更新)
| 第4話「不良野郎の風」其の一 梅雨が明けた瞬間にいきなり暑い。夏が来た。 風はふかねぇし、ビールもぬるいゼ。 台風シーズンにはまだ早い。しかし学生達の夏休みが、あと数日でやってくる。 まさに今原宿は、嵐の前の静けさだ。 目の前のアクセサリー屋の兄ちゃんも、椅子に座ってじっとしてる。 「暑くて静かだなー」 オレも一人でぽかんとしているのは、随分間が抜けたもんだ。 そこにいきなりでっかい声が現れた。 「チワッス」 誰も知らない。 顔が小さくて、頭は小ざっぱりとしたシャープなリーゼント。 501のジーパンにグレーのシャツ。背中には、インディオの鷲が飛んでやがる。 オレの目の前を走って行った。小学生のようだ。 丁度小さい子が履ききれてない靴をトントンさせるように走って行った。 人のよさそうな顔だ。しかしその顔とはうらはらに、不良のにおいがすごかった。 |