連続ロック小説「狼ロック」(不定期更新)
| 第3話「革ジャンロック」 古着の仕入れは、効率が悪い。 千葉の古着屋で買い込むようなパターンは、特別中の特別だ。 普通は、売れ筋とともに、売れないヤツもひきうけなければならない場合が多い。ウチの店は、確固たる仕入れルートをもってないが、それは、そのリスクをさける為なのかもしれない。 と、まあどうでもいい事を考えたってしょうがない。崎田さんには聞く気もしねぇ。ある程度の責任より遊びの方が重要さ。 とりあえず今日のオレは、つんつる天のかわいい修学旅行の兄ちゃんや、ださい奴ら、かっこいい奴には、多少の敬意を払いつつ、バカッ話の中にすごみを入れて、革ジャンを売り付けるとしよう。 雨の日、テントは休みだ。そのままオレ達の仕事も休みになるか、または、仕入れたばかりの革ジャンがあればそいつを売り物にする仕事がある。竹下通りにあるもう一つの店の裏で、その作業は行われる。もちろんやるのは、ナリちゃんとオレ二人だ。 裏の壁に雨がバシャバシャあたって、ブーツの中の靴下が冷てぇ。 しかたねぇ、とにかく革ジャンを磨くとしよう。 今、オレ達が手にしているのは、渋谷にTEXっという新しい古着屋を作ったスガさんという人が、うちの店に流してくれた、ヨーロッパから送られてきた革ジャンだ。 「オイ、ナリちゃん、これどうすりゃいいの?」 船で圧縮されたのか、ほとんど立方体になっている革の塊だ。そのまま水に入れれば、ふくらんでくるんじゃねぇかってシロモノだ。 「それはですねぇ、こうするんですヨ」 ナリちゃんが、壁にそいつを思いっきりぶつける。 「ギャハッハー、なるほど。そうするんですか」 オレも調子こいてぶつけまくる。 「大リーグボール」 「えび投げハイジャンプ」 「大回転魔球」 もちろん店には、崎田さんはいない。あたりまえだ。 店にいるのは、最近入った、ルースターズ命の大久保ちゃんという、博多出身の女の子がいるだけだ。やりたい放題だゼ。 とにかくオレは原宿が楽しいのさ。 |