連続ロック小説「狼ロック」(不定期更新)
| 第2話「テントの仕事」 テントの仕事は、なまぬるい。遊んでるようなもんだ。 怖いのは社長の崎田さんだけだ。その社長の崎田さんは、40前半だろうか。 とにかく、むかつくと客をすぐ殴る。テント村のヤクザ、と言われているこの人のキャラクターが、この店の雰囲気そのままだ。うかうかできないゼ。 革ジャンを売るのがオレの仕事だ。その脇にナリちゃんがいる。 ナリちゃんの仕事は、仕入れた革ジャンを売り物にしていく仕事だ。 革ジャンの仕入れ方は、いくつもある。 重要なのは、売れ筋を集めることだ。その売れ筋は、ロングと呼ばれる、ハーフコートのような革ジャンである。しかしオレには、その革ジャンが、それ以前のいつの時代に流行っていたのか、見当がつかない。昔の映画や写真でこんなの着てる人、見たことないゼ。っと思う位たくさん入ってくる。 売る値段の相場は、どうしようもないのが¥8,000、そして¥12,000から¥45,000。全ての値段はオレがつける。 千葉の田舎の古着屋で、¥8,000位で、程度のいい物が、たくさん売れているというのを聞けば、速効で車を走らせる。30枚位買い占めて、店に帰れば¥28,000から¥45,000で売りに出す。 それが飛ぶように売れる。なんせ、ここは天下の原宿さ。 アメリカがハワイと交換したいといっても、オレは断固拒否するゼ。 |