SPECIAL

bounce2004/5月号に掲載されたジョーン・ジェットとセイジのスペシャル対談の全文をお届け!!

ギターウルフセイジは、スーパージョーンジェットファンだ。誕生日が奇跡的一緒だというのも凄い。だからただ単なる一ファンとして気になる質問をぶつけてみるゼ。

1. 日本でのライブはとても素晴らしかった。俺は真中で興奮して観てた。サポートできて単純に嬉しかったけど、ブラックハーツとギターウルフの組み合わせは凄く相性が合うような気がしなかったですか?1つのロックンロールショウとして自分がジョーンジェットに凄く影響を受けたせいだと思うのですが。
ジョーン・ジェット(以下JJ):ギターウルフとのショーはグレイトだった!本当に楽しかった。ギターウルフはグレイトでFUNなバンドで、凄く見応えがあったわ。ほとんど全曲に私の名前を入れてくれて、凄く光栄。実は、ごく最近も会ってるわね。2ヶ月ぐらい前だったかしら。ニューヨークのCBGBでのギターウルフのショーで(2003/11/18)。あの時も会えて嬉しかった。ライヴもバッチリだった。ハイエナジーでね。ギターウルフのライヴ中は観客の方にも注目してたんだけど、みんなシンガロングしたりして明らかに盛り上がってた。みんな楽しそうな顔をしてたわ。きっと、バンド冥利に尽きる素晴らしいライヴだったんじゃない?


2. 10年前のブラックハーツがライブ前にラモーンズをかけていたので、ギターウルフもラモーンズをかけるようになった。
JJ:クール!私達も今でもラモーンズをかけたりするけど、たまにザ・フーの「Won’t Get Fooled Again」をかけたりもする。ザ・フーの曲はもう20年前、たしか、『Bad Reputation』あたりの80年代からSEとして使ってきてるの。だいたい、ラモーンズかザ・フーね。どっちを流すかはその時のショーの雰囲気や気分によって決めてる感じ。


3. またここ一番の大事なショウがあれば呼んで下さい。また思いっきりサポートしますよ。それといい忘れるとこだったけど、CBGBのライブに来てもらってサンキューベリーマッチ。出番直前に来てくれた時には感激して“ジョーン一生ついてくゼ”って思いましたゼ。気合いもメチャクチャ入った。
JJ:ああ(笑)、よかったわ。そうね、また一緒にライヴができるといいね。次の機会を凄く楽しみにしてる。


4. これからは一ファンとして聞きたいことを。ジョーンがスージークアトロの影響を受けたっていうのは良く知られている事だけど今でも親交はありますか?確か日本でのスージーの結婚式にも出たとか。俺も黒のツナギで唇ひん曲げて、ベース弾いているスージーにカッコ良さを感じます。
JJ:残念ながら、スージーとはしばらく話してないの。彼女は本当にグレイトなロッカーだし、人間的にも素晴らしい人よ。彼女は私にロックンロールをプレイし続けるようにいつも励ましてくれて、女でもロックしていいんだ、ということを体現して知らせてくれた人だと思う。ティーンエイジャーの頃は本当に夢中になってスージーのレコードを聴きまくってた。今でもよく聴いてる。彼女には強くインスパイアされてきたの。最近、会ったり話したりしてないのは私としてはちょっと淋しいわね。


5. 次に挙げるロッカーに対してのコメントを聞きたい。
● ジョ二―サンダース&ハートブレイカーズ
JJ:グレイトなトラッシュ・バンドよ。でも、私個人としてはニューヨーク・ドールズの方に思い入れがあるの。ちょうど、ロックを聴き始めた頃にハマったバンドの一つだったから。実は、カリフォルニアに移住してランナウェイズを始めるずっと以前、まだワシントンDCに住んでた頃、初めて見たライヴがニューヨーク・ドールズだったの。たしか、12才か13才ぐらいの頃だった。まだロックの洗礼を受けてないほんの子供だった私にとって、彼らのライヴはかなりキョーレツだった。ライヴ後にステージに置いてあったデビッド・ヨハンセンが飲み干したビールビンを持って帰ったのを覚えてるわ(笑)。ジョニー・サンダースはとにかく凄いギター・プレイヤーだと思った。決してテクニックを持ってるとは言えなかったけど、あのrawでトラッシーなギター・センスにシビれたわ。

● イギーポップ
JJ:イギーと言えば、一番最初に頭に浮かんでくる言葉は、ジョニー・サンダースと重なってしまうけど、「raw」と「dirty」ね。80年代前半、『Bad Reputation』の頃に、イギーと何度か共演したことがあったの。イギーがステージで裸で汗だくになってクレイジーになってる姿を見るのはいつでも楽しいわ。ストゥージズも小さい頃から大好きで聴いてきたバンドで、以前、「I Wanna Be Your Dog」をカヴァーしたことがあるぐらい。

● エルビス
JJ:「I Love Rock and Roll」はエルビスのおかげでヒットしたと言ってもいいぐらいよ。そのレコードをリリースした1週間後ぐらい、たしか、11月だったと思うけど、ツアーをしてて、メンフィスでショーがあったの。いい機会だからグレースランドを訪れることにして、エルビスのお墓参りとかして、一通り回って、帰ろうとした時、バンが故障して動かなかったの。何時間も待ちぼうけをくらうことになってしまったわ。修理屋が来るのを待っている間、たしか、エルビスの叔母さんが来て、私達を家の中に呼んでくれたりもしたのよ。エルビスの叔母さんは私がエルビスに凄く似てる、と言ってたのを覚えてる。私は常にギターピックを持ち歩いてるんだけど、時間があったからもう一度エルビスのお墓に行って、ピックを1つ、エルビスのお墓の上に置いてきたの。その翌週、「I Love Rock and Roll」がヒットとなった、という知らせが入ってきた。もしかしたら、エルビスの仕業かな、と思ったりしたわ(笑)。でも、エルビスのおかげで人生が変わったのは、私1人だけじゃないと思う。

● ランナウェイズの頃に一緒にツアーしたというラモーンズ。その頃のエピソードもあれば。
JJ:これ、というエピソードはすぐには浮かんでこないけど、とにかく、毎日のようにラモーンズのライヴを見て楽しい思いをしてた。日によって、出順を変えたりしてたの。あと、場所によって、ウケる方とウケない方がはっきりと分かれてたのも興味深かった。今、考えると変なツアーよね(笑)。でも、とにかく楽しいツアーだったわ。ラモーンズの大ファンだから、ステージの端から毎晩、彼らのライヴを見ながらシンガロングしてた。1977年のことよね、たしか。音楽ファンとしても、ミュージシャンとしても充実したツアーだったわ。あ、でもね、ちょっとしたバカっぽいことも覚えてるわ。ジョーイが時々、変なふうに町の名前を発音してたのよ。例えば、イリノイ州ベルビルという町だったと思うけど、ジョーイが髪の毛を振り乱してマイクをガバッとつかんで、?ロー、ベールビール!」って、変に巻舌っぽく叫んだの。別にたいしたことないけど、何故か、私は凄くウケてしまったのよね。でも、あれからもう何十年も経ってるというのに、ジョーイのあの町の発音の仕方が今でもおかしく思えてしょうがないのよ。

● リンクレイ
JJ:名前は知ってるけど、コメントできるほど、彼の音楽は知らないの。ごめんね。

● MC 5
JJ:もちろん、知ってるし、聴いたりもしてたけど、コメントできるほどじゃないかも…。ごめん。

● クランプス
JJ:ロサンゼルスに住んでた頃にクランプスのライヴを何度も見たわ。ランナウェイズ時代にね。ベースのアイヴィが特にカッコよかった。50年代スタイルのリバーブがバリバリかかったようなギターサウンドもステキだった。楽しいバンドね。

● セックスピストルズ
JJ:セックスピストルズね…。とにかく、元祖、というイメージが一番強いわ。素晴らしい楽曲ばかりで、ギターサウンドも完璧。私は音楽を聴く時、ギターサウンドばかり気になる方なの。『Never Mind The Bollocks』アルバムは大好きで、レコードが聴けなくなるほど擦り切れるまで聴きまくって、もう1枚買うハメになったわ。セックスピストルズもまた、私が最も多感な時期に登場してきたバンドだったから、彼らから受けた影響は計り知れない。音楽も文化的なところも、全てにおいてね。

● ブルースリー
JJ:ブルース・リー?!はぁ?ま…、いいファイターよね!でも、私は実際にブルース・リーの映画が大好きでよく観てたけど、マニア、というほどじゃないわね。コメントは世界中にたくさんいるブルース・リー・マニアにお任せしましょ。


6. あとは単純な質問を単純だけど俺が本当に聞きたかった事。
● 小さい頃はどんな子供だった?男の子と喧嘩した。
JJ:いや、喧嘩なんてしてなかったわよ。私はとても活発で社交的なタイプの子供で、学校でもみんなと楽しくやってた。特に小さなグループとかに属してたわけでもなく、ほとんど誰とでも仲良くできてたわ。太陽が出てる間はずっと外で駆けずり回ってたような子供だったの。郊外に住んでたんだけど、自然が豊富なところだった。森があったり、川が流れてたり。よく森で遊んでたわ。小動物をつかまえたりしてね。カエルとか、カメとか。私は昔から動物が大好きで、子供の頃から自然を満喫できたのはとてもラッキーだった。あと、キックボールやドッジボールとか、昔の子供がよくやってたスポーツや遊びもよくしてた。今のアメリカの子供は、昔ほど外で遊ばなくなってしまったのよ。子供の頃から部屋の中で黙々とコンピュータをやってるだけで。こんな時代に子供時代を過ごさずに済んでよかったと思うわ。昔は子供は子供らしく育ってて、そんな時代に育つことができてラッキーだったわね。

● ギャンブルは好き?
JJ:やみつきになる、ということは決してないけど、機会があればやったりするわよ。実は、私の家族はギャンブルが大好きなの。よくラスベガスに遊びに行ってるわ。ほんのお遊び程度だけどね。家族の誰かの誕生日にラスベガスで祝ったりもしてる。私がやるとしたら、必ずブラックジャックよ。ルーレットやスロットマシーンは好きじゃないの。勝ったり負けたり、トントンって感じね。のめり込むことは決してないわ。

● 好きな映画を挙げて。
JJ:うわー、映画ね。凄く難しい質問よ。だって、いい映画って、たくさんあるじゃない?ちょっと考えさせてほしいわ…。

● 好きな男優、女優は?
JJ:これもまた難しいわね。というのは、私はランク付けするのは得意な方じゃないの。「トップ10のアルバムを教えて」ともよく聞かれるけど、答えられなかったりするのよ。その時々によって変わってくるしね。リストを作るのは得意じゃないの。そういうふうに普段から考えたりもしないよね。

● 好きな食べ物は?
JJ:私はベジタリアンなの。肉も魚も食べない、ってことよ。インド料理は大好きよ。中華もね。あとはシンプルな野菜料理ばかりよ。平和的な食生活だと私なりに考えてるわ。食べ物に関してはあまり冒険しない方ね。

● 車かオートバイには乗りますか?
JJ:意外かもしれないけど、オートバイには乗らないわ。ちょっと恐かったりするのよね。でも、車は持ってるわ。黒いキャデラックSTSよ。


7. 新作「ネイキッドかっこよかったです。特にサイエンスフィクションパンクヴァージョンがカッコイイ。パンクっぽいヘビーな曲が増えてきた?
JJ:長い制作工程だったから、なかなか客観的に聴くことって、難しかったりするのよ。でも、パンキッシュでハードな要素は当然、自分でもあると思うわ。


8. これからワールドツアー?
JJ:常にツアーしてるような感じで、今年いっぱいは全米中を回る予定になってるわ。もちろん、日本ツアーも考えてるけど、今、そのタイミングを話し合ってるところよ。
昨年の日本ツアーの時に、新作がリリースされたらまた日本ツアーをやろう、と日本のスタッフと話したので、私としてもぜひぜひやりたいわ。日本は私にとってとても重要な場所だから。今年中にはまた日本を訪れたいと思ってるわ。


9. 昔のTシャツの復刻する予定はある?
JJ:へぇー、そのアイディアは思い付かなかったわ。もしかしたら可能性はあるかもね、というふうにしか言えないけど…。

10. 日本はどうでしたか?
JJ:とにかく楽しいツアーだったわ。でも、短すぎた!数回のライヴしかできなかったからね。今度はもっとライヴの数を増やしたいわ。日本のお客さんは凄く熱くて、同時にバンドの演奏をちゃんと聴いてくれるから大好きよ。今回もいい反応を得たわ。特に、ギターウルフと共演したクラブでのライヴは楽しかったわね。お客さんもノリノリで。ギターウルフのファンも見られて面白かった。ユニークで楽しい体験だったわ。

11. 日本に来た時買い物とかする?
JJ:前回も少し街を歩き回りたいと思ってたんだけど、なかなか時間が取れなくてね。次回はもっといろんなものを見て歩きたいわ。フリーな時間も少しあったけど、体を休めるために使ってしまったの。買い物よりも、やっぱりショーとインタビューの方を優先させないといけないから。日本でのショッピングは素晴らしいと聞いてるから、次回はぜひ、街に繰り出したいわ!

12. また事務所に遊びに行っていい?
JJ:もちろん!セイジはいつでも歓迎するわ。

● 最後に、何かメッセージなり、言っておきたいことはありますか?
JJ:最近ね、髪型がセイジに似てきたの(笑)!髪の毛が少し伸びてきて、黒い地毛が出てきたからね。セイジ・ヘアになりつつあるわよ。セイジはとても才能のあるミュージシャンで、人間としてもとてもフレンドリーで謙虚な印象を持ってるわ。いつまでもそんなステキな人でいてね。今度、もっとゆっくり話しができるのを楽しみにしてるわ。昨年、ニューヨークで会えた時も、何だか家族と再会できたような、楽しい気分になれたわ。私からセイジにbig kissを贈るわ。あと、ニュー・アルバムに関して少し説明を足しておくと、テーマとしては人間関係にまつわる感情が中心となってるの。恋をしたり、失恋したり、セックスしたり、しなかったり、といったような状況から生じる生の感情について歌ってるの。これまでと変わらず、愛と人生がテーマとなってる曲が多いかもね。それに加えて、最近、人間の存在意義とか、人間がどうして苦しまないといけないのか、とか、自分自身の存在意義、自分がこの世に生まれた目的など、ちょっと深いこともよく考えるようになってきたの。ジョーン・ジェットという名前の裏に隠された自分とは何者か、ということとかね。それは人間にとっての永遠の探求となるような疑問ばかりだけどね。スピリチュアルな面での自分探しをしてるの。だからこそ、タイトルを『ネイキッド』にしたの。ありのままの自分を表現したくてね。そういう意味では、決してバック・トゥ・ベーシックな心境ではなく、大きく発展した自分が表現されてるアルバムだと思うわ。